最近やったゲーム『Blasphemous』

 
 2019年リリース。国内ではPC,PS4,Switch向けに販売。

 

 Kickstarterでのクラウドファンディング中からかっこいいアートで評判になっていたゲームです。ジャンルとしては死に覚え2Dアクション、ゲーマーっぽく言えばソウルライク+メトロイドヴァニアになります。
 特徴であるアートスタイルは見ていただけばわかると思いますが、謎めいたストーリーやNPCとの会話、各アイテムのフレーバーテキストが形作る世界設定は、アートスタイルに心を惹かれたあなたを裏切ることはないでしょう。つまりパッと見て魅力を感じたなら買って間違いないので今すぐ買ってください。

世界観

 プレイヤーは仮面をかぶり、贖いのため言葉を封じた主人公「悔悟者」として、「奇蹟」と呼ばれる超常現象に見舞われポストアポカリプス的な状況にあるCvstodiaという土地を旅します。「奇蹟」は世界を大きく変容させ、それによって人々が苦しんでいる災厄の面を持っていますが、一方で、「奇蹟」がもたらした変化は恩寵あるいは天罰であるとして、「奇蹟」自体が信仰の対象にもなっています。「悔悟者」もまた「奇蹟」を崇拝する教会の分派の信徒の一人であり、自らの任務のため「奇蹟」の課す試練を求めてCvstodiaを旅することになります。
 作中の「奇蹟」は一神教の神のように描かれており、「奇蹟」による変化を人には理解が及ばない意思によるものだとして受け入れるような、キリスト教的な世界観を前面に出してくるファンタジーにはいままであまり触れたことがなかったので新鮮に感じられました。

ゲームプレイ

 いわゆるソウルライクジャンルのゲームらしく、気を抜くとやられてしまう敵がいるマップを探索して強力なボスを見つけ、ボスに何度も倒されながら攻撃パターンと反撃法を理解してボスを倒して次のエリアへ、というゲームの流れになっています。
 このゲームの戦闘の少し特徴的な点は防御手段がパリィと回避のみでガードにあたるものがない点です。剣だけを持ち試練に向かう主人公という設定に合っていて好感が持てました。
 パリィとは相手の攻撃を自分の武器で弾き、一部の攻撃以外に対しては相手の体勢を崩して強力な反撃をするチャンスにするというものです。どのゲームでもパリィは適切なタイミングでの入力が求められるため苦手な人もいるかと思うのですが、このゲームではパリィが成立するタイミングの判定は他のゲームより緩めに感じました。またこのゲームに限らずですが、敵の予備動作の終了タイミング(武器を振りかぶって振り下ろす直前など)でパリィのボタンを押すと成功すること多いように思います。
 探索要素、言い換えるとメトロイドヴァニア的部分として探索用のアイテムを獲得することで今まで行けなかった場所に行けるようになるという要素があります。このゲームでは探索用のアイテムが隠されていたりNPCとのイベントを進めることで得られたりするのですが、あまりアイテム獲得への誘導が強いわけではなく、またメインストーリーのクリアに探索は必ずしも必要がないためスルーしてクリアしてしまう人も居そうだなと感じました。
 難易度は少し難しめですがプレイしていくなかでだんだん慣れていけるように作られていると感じました。似ている2Dアクションと比べると『The Messenger』よりは難しくて『Hollow Knight』よりは少しだけ易しいかなと思います。

メトロイドヴァニアあるあるその1。隠しエリアが存在して、ノーヒントではないにしろ気が付かないことも多そうです。
メトロイドヴァニアあるあるその2。各地にメインストーリーには関係ない収集要素が存在しますが、ゲーム内にどこのものが取得済みでどこがまだなのかチェックする手段がないです(まあゲームの雰囲気的にあまりユーザーフレンドリーでも変なので悪くはない)。
・ソウルライクあるある。一部のNPCとの間で起きるイベントがメインストーリーの進行度等を参照していて、進め方次第ではイベントが途中で終わってしまい、それでアイテム(割と使い勝手が良かったりする)を逃すことがあります。メインストーリーには支障は出ないですが。
・開発者インタビュー https://www.gamespark.jp/article/2019/09/24/93276.html

評価

☆☆☆☆(基準)

 終末的な世界と不気味な怪物たちを魅力的に描くことに成功しており、アクションゲームとしても程良い難しさで楽しい。2020年内に出るという無料追加コンテンツにも期待。
 このゲームが楽しかった人がやると楽しそうな似たゲームは『Darksouls』シリーズ、『Hollow Knight』(やってないけど多分『Salt and Sanctuary』もそうかも)。